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100年前の都道府県人口ランキングから見えてくるもの
今週月曜日に掲載したちきりんさんの記事「1000年前の世界都市人口ランキングから見えてくるもの」。人口世界トップの都市が紀元前のテーベから長安、ローマ、コルドバと動いていく様子からは、歴史のダイナミズムが伝わってきた。
データを見ていて気になったのが、もう少しローカルな人口の動き。具体的には日本国内の人口の動きはどうだったのかということだ。そこで、信頼性の高いデータである1920年の国勢調査以降の都道府県別の人口推移を30年ごとにまとめたのが次の表である。時期によっては、沖縄県が返還されていなかったり、都道府県の面積が異なっていたりもするのだが、基本的に無視していいレベルの誤差のようである。
日本の人口推移(単位:万人、カッコ内は順位、出典:総務省国勢調査)
最も古い1920年と最も新しい2010年を比べると、東京都(1920年は東京府)のトップと、鳥取県の最下位は変わらない。さすがに100年という期間なので、1000年前にトップだったという京都から東京へ人口が大移動したというような流れは見られないのだが、そのほかの都道府県の推移を見ると、大きな変動が見られる地域もあるようだ。
一見して分かるのは、首都圏の人口の伸び。神奈川県(1920年15位→2010年2位)、千葉県(14位→6位)、埼玉県(16位→5位)がそれぞれ10位ほど順位を上げている。90年で全国の人口が2.2倍になったのに対し、神奈川県は6.8倍である。東京のような大都市を支える地域で、住宅地の開発や交通網の整備が進んだことがその背景にあるのだろう。
近畿地方では奈良県(46位→29位)や滋賀県(42位→28位)、中部地方では岐阜県(21位→17位)が同様の傾向を示している。大都市周辺以外で注目は沖縄県(45位→30位)、2010年の出生率が1.87(全国1.39)と38年連続トップということが影響しているのだろう。
一方で減少しているのは、北海道や東北、北陸、九州といったところだろうか。90年前は新潟県(7位→14位)や長野県(8→16位)、鹿児島県(11位→24位)が10位付近だったということには、考えさせられるものがある。
さらに男女比率を見ると、1920年だと北海道や東京、大阪で男性の比率が高くなっている(2010年だとどの都道府県でも女性の比率の方が高い)。恐らく労働人口が流入していることの表れだろう。ある程度予想できる結果とはいえ、こうして改めて見ると、興味深い結果となっているのではないだろうか。
2010年の国勢調査では、統計開始以来初めて人口が減少した日本。さらに30年後の2040年には、都道府県の人口分布はどのようになっているのか、興味深いところである。
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